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「ストーリー・テリング」から「ストーリー・リビング」へ

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広告やメディアの世界で、基本中の基本として使用され続けてきた手法であるストーリーテリングですが、テクノロジの進化によって古い概念なろうとしている。今日は、ストーリーテリングという言葉が進化して、次のステージに行くという話をしようと思う。

※上手く説明できた気がしないので、定期的に更新します。

 

 

一応、ストーリーテリングの定義を整理しておくと以下の通り。

 

「ストーリーテリング」とは、伝えたい思いやコンセプトを、それを想起させる印象的な体験談やエピソードなどの“物語”を引用することによって、聞き手に強く印象付ける手法のことです。抽象的な単語や情報を羅列するよりも、相手の記憶に残りやすく、得られる理解や共感が深いことから、企業のリーダーが理念の浸透を図ったり、組織改革の求心力を高めたりする目的で活用するケースが増えています。(コトバンクより)

 

  

ストーリーテリング(既存メディア)が持つ課題

 

ストーリーテリングがどのように変わるのかという話の前に、少しだけストーリーテリングの弱点をまとめて見たいと思う。ストーリーテリングの欠陥をあえてあげるとすれば、「情報伝達が一方的」なところである。(正確にいうと、これは既存メディアの弱点であるが)情報伝達が一方的になると、聞き手側が情報を「自分事」にしてくれる確率が低くなり、結果的に得られる理解が乏しくなってしまう恐れがある。沢山の情報が溢れる時代に置いて、自分に関係ないと思えない情報はただの雑音だ。

 

テレビからスタートフォンの時代となり、一般的にはそれが改善されたようにも思えた。確かにスマートフォンは情報の発信者と受け手のインターラクティブ性は格段にましている。受け手の関心に合わせた個別のコンテンツを発信することもできるし、SNS等で受け手も情報の発信を行えるようになった。

 

しかし、それは小さなスマートフォンの画面の中での話である。以前に比べて、「自分事」にする力/共感力は高まってはいるものの、まだまだテレビの延長線上でしかないのかなという印象を受ける。

 

 

受け手に自由を与える「ストーリー・リビング」

 

それでは、その次の世代はどう変わっていくのか。そこでようやく、「ストーリー・リビング」という概念が出てくる。「ストーリー・リビング」とは情報の発信者が発信した情報の中に自分がいるような感覚がする体験である。これを構成するための要素として、大きく3つあげられる。その3つとは、以下の通りであり、テクノロジの進化によって近年実現する事ができるようになった。

 

①五感をフルに使った体験であること

②インターラクティブ性があること

③情報の受け手に自由があること

 

まず「①五感をフルに使った体験であること」だが、スマートフォンと比べてみるとわかりやすい。スマートフォンによる体験は、「視覚(5インチ程度の大きさ)+聴覚(多くの場合はマナーモードで聞こえない)」である。情報伝達のツールとしては十分ではあるが、共感を生むツールとしては非常に弱いことがわかるだろう。一方、「ストーリー・リビング」に対応した新しいメディアでは、五巻をフルに使って、受け手に訴求をしていく。視覚は人間の視野角を全て覆うものになり、音声もリアルなものになる。そして、触覚や嗅覚などといった手段も新たに加わり、現実世界とメディアの境目はないといってもよくなる。

 

次の「②インターラクティブ性のあること」は既にスマートフォンの部分で述べた通りである。一方的ではなく、相互作用的に情報を発信し合うということが重要になってくる。情報を受けてばかりだと、飽きてしまうし、発信しても相手の反応がない場合は発信するモチベーションを保つことができないだろう。「情報を発信する→反応がある」という流れがあるからこそ、人は自分の人生の事に感じられるのだ。

 

最後の「③情報の受け手に自由があること」であるが、先に述べたインターラクティブ性の話にも少し近しい。自由があるという事は自分で意思決定できる幅が広いという事である。例えば、スマートフォンのゲームで遊んでいると、大抵はクリアの方法は1つである。もっと具体的にスーパーマリオで遊んでいるとしたら、ピーチ姫を助けるとしたら必ずクッパを倒すしか選択肢はない。しかし、受け手に自由がある状態だと、ピーチ姫を助ける方法はそれだけではなくなる。夜中にこっそりとクッパ城に侵入してもいいかもしれないし、囮作戦でクッパを上手く欺くのもいいかもしれない。このように様々な手段から意思決定できるという事が重要なのだ。この意思決定こそが、自分事にしていく。

 

一般社会に登場

未来の概念のようにも感じるが、ストーリーリビングは既に社会に実装されつつある。その代表が、イギリスに本社を置く、The Void社が提供するアトラクションである。

 

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 詳しくは下記の記事の通りであるが、まさしくスターウォーズの世界に生きたような体験であった。

危険な一面も併せ持つ

新しい技術や概念には危険な一面はつきものである。この「ストーリー・リビング」も例外ではない。あまりにも情報が現実と近しいため、1歩間違えると洗脳にもなりかねない危険な技術である。

昔、映画が映写されているスクリーンの上に、「コカコーラを飲め」「ポップコーンを食べろ」というメッセージが書かれたスライドを1/3000秒ずつ5分ごとに繰り返し二重映写したところ、コカコーラについては18.1%、ポップコーンについては57.5%の売上の増加がみられたという出来事があった。(Wikipediaより抜粋)

このように意識と潜在意識の境界領域より下に刺激を与えることで、無意識的に情報の受け手に行動を促す事をサブリミナル効果と言うが、「ストーリー・リビング」を悪用すると、これ以上の事ができるのは間違いない。

テクノロジ業界に求められる倫理観

 このような技術の発展を受けて、テクノロジに関わる人間はますます倫理観が求めれられる事は間違いない。すごいテクノロジであればあるほど、悪用した時の反動は凄まじい。倫理観に関しては、別の機会に述べるが、これからの時代の重要なキーワードになるであろう。